受講者からの質問と回答 詳細

  • 日程

  • 会場

  • 研修種類

  • 定員

  • 2017年9月22日10:00~17:45
    開催終了
    【開催名:170922_11_大阪天満錦町】
    大阪府大阪市
    国労大阪会館<天満駅/徒歩5分>
    6時間研修
    講義11
    --名
第3章・「漢方」に関するご質問
ご質問脂質異常症、コレステロールの疾患に使う漢方薬は何ですか?
回答脂質異常症やコレステロールの疾患(高LDLコレステロール血症など)を効能・効果にもつ漢方薬は、ありません。
ただ、肥満や脂質異常症(とくに中性脂肪が高い高トリグリセライド血症)を改善することが重要視されている現代では、肥満や脂質異常症を直接改善するのではなく、それに伴う肩こりや便秘、腹部膨満感、疲れやすさなどの症状に対して漢方薬を使うことが多いようです。
漢方薬は、使用者を大きく「実証」と「虚証」に分けて選択されます。
●実証(脂肪太りタイプ)
 体の中に悪いもの(毒)がたまっていると考え、発汗、瀉下、利尿などの作用をもつ処方を用いることで、体内の毒を出すようにします。代表的な処方に「防風通聖散」がありますが、みぞおちがつまる感じがあれば「大柴胡湯」が使われることがあります。
●虚証(水ぶとりタイプ)
 体内の余分な水分を排出する作用をもつ処方を用います。代表的な処方に「防已黄耆湯」があります。

また、瘀血(おけつ:西洋医学的には微小循環障害)があると考えられる場合には、駆瘀血作用をもつ処方が用いられます。代表的な処方に「桃核承気湯」などがあります。

ちなみに、大柴胡湯には血中の中性脂肪やコレステロールを減らす作用があるとされ、西洋薬と併用して効果が高まったという報告もあります。